Step1:整理作業
人毛は、まず採集された原毛から長さを分けて、束ねる作業を行います。この段階で白髪や傷んでる毛等を取り除く選別作業を行います。
Step2:洗浄、消毒
表面に付いている脂、細菌、ゴミ等を取り除く作業を行います。この時に時間を短縮する為に塩酸など強い薬品を使う工場が多い様ですが、弊社工場では毛が非常に傷みますので塩酸などの強い薬品は使用しません。
洗浄と濯ぎは3回程繰り返します。
Step3:脱色
最終完成品のカラーより2~3段階明るい色が出るまで各カラーに合わせて脱色します。この段階で使う化学薬品で毛が一番傷みますので、薬品の量と時間の調整が大切です。
薬品の量が多いか時間を間違えてキューティクルを取り過ぎると人毛表面のキューティクルだけで無く髪内部のタンパク質まで溶けて弾力が無くなり、脱色のばらつき(均一に色が落ちない現象)がおこります。
キューティクルを取ると、表面は滑らかになって手触りは良くなりますが、そのバランスを調整する技術が大切です。
Step4:中和
薬品の処理で酸性化している人毛を最適の中性状態に戻す為、PHを調整します。
Step5:染色
完成品のカラーに合わせて染料を入れて煮込みます。この時も温度と時間の調整が大切です。短時間で高熱にかけるとカラーにばらつきが出やすいですが、時間をかけ過ぎると毛の損傷に繋がりますので適当な調整が必要です。
Step6:洗浄、濯ぎ
染色後、人毛の中に染込まず、表面に付いている余分な染料を取ります。洗浄、濯ぎを3回繰り返して余分な染料を完全に取ります。
Step7:柔軟剤処理
薬品や熱で傷んでいる毛を最適な状態に戻す為、酸度調整を重ねて柔軟剤で処理します。
Step8:洗浄、乾燥
最後に水に浸けて2回洗浄して乾燥します。乾燥は機械乾燥室で50%まで乾燥しその後風通しの良い日陰で自然乾燥します。
Step9:検品
手触り、弾力、カラー等を検査して不合格製品で、再度処理出来ない場合は廃棄処分し、再処理可能な場合はその工程をもう一度繰り返します。
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